テレビのラウドネスは-24.0LKFS

 

loudness

<目次>
◆ラウドネスって…?
ラウドネスの測り方と合わせ方
◆youtubeにも採用されたラウドネス
◆色々な音源測ってみた

 

 

◆ラウドネスって…?

詳しいことはWEBで検索~と投げやりですが、ざっくりいってしまえば

 

音   圧

 

って言っていいのかな。

あのジャパメタ界のレジェンドのほうではないです。

1990年代初頭より海外を発端に世界中で始まったとにかくCDを爆音に!とする時代は

Loudness Warとも言われるくらい。(日本では「音圧戦争」とも)

 

そんなわけでドラマや映画を見てたら小さくてでかくてしてたらCMに入った途端の爆音問題に歯止めをかけるべく

2012年10月から日本でも施行されてARIB TR‐B32という規格を使い

-24.0LKFS(±1LKFS)にしてねっていう"目安"が出来ました。

測った時平均値がこの値になればいいということです。

詳しいことは民放連のHPまで。

ナレーション入りサンプルファイルとかもあり練習にもいいですよ。

今回はCMとかいっちょ作ってみますか!って人(すごい少数だろうけど)が少しでも参考になるようにラウドネスについてメモ。

 

 

◆ラウドネスの測り方と合わせ方

(ここに書くのはあくまでお手頃な一例です。実用も可ですがMAスタジオとかではもっといいハードのものとか使ってます。)

パターン1. DAWは持ってる。無料でなんとかしたい。

→一番安く済ます方法。VSTが読み込めるDAWならなんでもいいです。

CubaseでおなじみSteinberg(ヤマハ傘下)から無料のラウドネスメータープラグイン「SLM 128」が出てます。

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この手の音で商売してるメーカーが無料って凄くないですか。

絶対これを足掛けにCubaseとNuendoをよろしくねッ!!でしょ?

それはともかくこれをVSTフォルダに突っ込んで使用すれば解決です。

これで測りたい音声をフルでマスターにプラグインをインサートしたまま再生してください。

それで-24.0LUFSになればOKです。なるまでフェーダーいじってみてください。

DLはここから→ https://japan.steinberg.net/jp/products/legacy_products/nuendo_6/slm128.html

 

パターン2. DAWは"Studio One"ユーザーだ。

→測るだけなら単体で可能です。

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新規プロジェクトを立ち上げこちらの「ラウドネスを検出」で調べられます。簡単ですね。

 

パターン3. DAWとか知らないが映像やるので"Premiere Pro CC"とか"Media Encorder CC"ならある。

→これはめちゃくちゃ簡単です。

書き出し画面にて下記のように。

premiere

エフェクト→ラウドネスの正規化で

ラウドネス標準: ITU BS~(verによって数字が違うので割愛)

目標ラウドネス: -24LUFS (LKFSでないですが大丈夫です。)

許容範囲: 1LU (±1という範囲)

最大トゥルーピークレベル: -1dBTP

にて書き出すだけ。本当に簡単すぎます。

もちろんナレーションやBGMをここで持ち上げるみたいな部分的な細かい使い方はできないですが、

これで規格上クリアしてしまえます。

 

パターン4. 金ならある。

→音だけならNuGen Audio のVisLM-H 2 Loudness Meterがおすすめ!

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他のメーターはだいたい数字だけの表記ですがこれは波形が横にスライドしていってグラフ化する!かっこいい!

…ってのもあるけど昔仕事でよく行ってたMAスタジオで導入されていたので問題ないクオリティです。

これもプラグインなので通常使用ですね。

 

映像も合わせてやりたいなら"EDIUS"がいいんじゃないですかね。

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長らくテレビ業界でも愛用されていた映像編集ソフト"Final Cut"がXになってから大幅変更でユーザーが乗り換えられずタイムライン編集の容易な"Premiere Pro"か"EDIUS"に行くくらいですから信頼性高いです。

素材の扱いも軽いと評判ですし。(使ってなくて未検証)

そしてもちろんEDIUSもソフト自体でのラウドネス調整に対応しています。

しかもグラフタイプ。さすがEDIUS。すごいぞEDIUS。

loudness_ok

 

 

◆youtubeにも採用されたラウドネス

ラウドネスはテレビだけの話と思われてるような話をしてきましたが、

youtubeにも現在採用されているのです。

あらゆる動画が-13LUFS/LKFSに調整されるようです。

小さい音の音源も-13LUFSに持ち上げられ、

大きい音の音源は-13LUFSに潰されるということ。

楽曲のMIXをする人は特に意識して制作するといいですね。

CD用のバキバキに音圧を上げたMIXと、

youtubeでPV用の-13LUFSで気持ちいいように合わせたMIX

ぜひ気にかけてみてください。

そして気になるCDでの音圧について下へ続きます。

 

◆色々な音源測ってみた

計測に使用したモノ:Studio One

ここまでラウドネスについてざっくり概要と図り方の例を出してきましたが、

実際身の回りの音源ってどんなもんかな?と手元の音楽ファイルで計測しました。

改めて記載すると、テレビは-24.0LKFS、youtubeは-13.0LUFSです。

そして以下が結果。参考までに曲名クリックで各曲のyoutubeリンクで聴けます。


◯「Take Five」 Dave Brubeck Quartet (ジャズ・1997年)

24-0lkfs

ニュージーランドに行った時に買ったCD。買った翌日に現地で大地震に遭遇した思い出。

なんだかんだジャズで一番好きな曲。

lftake-five

結果:-20.4 LKFS

やはりジャズは音のダイミクスを大事にしたり原音主義なためラウドネスは低めですね。


◯「Sweet N' Sour」 The Crusaders (ジャズ/フュージョン・1977年)

covercrusadersfreeasthewind

ジャズのモダンシーンであるフュージョンから一曲。マイベストフュージョンソングです。

テナーサックス Wilton Felderとギター Larry Carltonの絡みが最高にかっこいい。

テーマのリフレインが熱い。

lfcrusaderssns

結果:-18.5 LKFS

フュージョンシーンといえどもThe Crusadersみたいなものでは結構ラウドネス低め。これがカシオペア、T-SQUARE、DIMENSIONとかのバンド系Jフュージョンとなるとまた違うのかな?

◯「交響曲第5番, ハ短調, Op. 67, 「運命」 第一楽章」 ベートーヴェン作曲/C.クライバー指揮(クラシック・2002年)

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言わずとしれたクラシックの名曲ですが、大学入試時に提出したレポートがクライバー版とカラヤン版の比較だったので思い出深い一枚。

lfbeethoven

結果:-15.4 LKFS

運命はダダダダーンのフレーズが大きく感じますがほかのパッセージは低かったりしますからね。トータルで見るとこの程度のラウドネスでした。


◯「ヴォカリーズ 作品34の14」 ラフマニノフ作曲/V.アシュケナージ演奏(クラシック・2003年)

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先程がオケなのでピアノ曲。ラフマニノフの名曲ヴォリーズです。

やっぱりこの繊細なタッチ…アシュケナージってすごい。

lfvocalise

結果:-23.2 LKFS

今回の計測で一番低かったです。やはりクラシックでピアノ2手の中でもメロディー綺麗な曲は低めですね。


◯「あとひとつ」ファンキーモンキーベイビーズ (J-POP・2011年)

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なんとなく自分の中での「ザ・J-pop」ってファンモンなんですよね。という偏見でピックアップ。

lfatohitotsu

結果:-7.8 LKFS

Jpopになった途端跳ね上がりました。トラックが爆音っていう印象は薄かったんですがボーカルが結構爆音だったんですね。


◯「スーパースターになったら」 back number (J-POP・2011年)

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こちらも比較的若めなチョイスで。back numberの中でもこの曲が一番好きです。

アンダーグラフでいうところのケセラセラみたいな曲です。(伝わりにくい)

lfsuper

結果:-6.3 LKFS

ファンモン超えました。やはり音圧戦争の果てにJpopなロックも結構なラウドネスです。


◯「Ob-La-Di, Ob-La-Da」 THE BEATLES (洋楽ロック・1968年)

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ビートルズは何か出さないとなと思った結果、フラットなダイナミクスで進むこの曲で確認してみます。

lfobladi

結果:-12.9 LKFS

さすがに68年の作品ともなるとゆるい音圧感。最大ピークも先の2つのJpopは0dBぴったりで合わせられてますがこの曲は-1.4dBの余裕がありますね。


◯「No Reflection」Marilyn Manson (インダストリアルメタル・2012年)

cover220px-bornvillain

そこそこ音圧感とビート感を感じるインダストリアルシーンからこの一曲。大御所。果たして。

lfnoreflection

結果:-7.6 LKFS

結構激しくも感じるマンソンのこの曲もまさかのback number以下のラウドネスとは…


◯「Battle Metal」Turisas (フォークメタル・2004年)

coverbatllemetal

民族的で勇ましい、そんな音楽が盛り沢山なフォークメタルシーンからこの名曲をチョイス。

フォークメタル系はひたすら鼓舞されて高まりますね!(もしくはアイリッシュ系な飲んだくれるような曲かアラビアンな妖艶な曲か)

バトッ!メタッ!

lfbatllemetal

結果:-7.1 LKFS

Turisasでさえback number以下のラウドネスだなんて…とはいえTurisasは音数や楽器数多いし上げにくいんでしょうか?


◯「Voodoo Mon Amour」Diablo Swing Orchestra (アヴァンギャルドメタル・2012年)

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別名オペラスウィングジャズメタルのDSO。プログレメタル以上にどんな曲か判別つかない不思議な世界観が多いアヴンギャルドメタルシーンですがこの曲は本当いいですね。サーカス感。

残念なのは彼らのキャッチーな曲は基本1EPにつき1曲しかないところ。なんでだ。

いろんな音が入り乱れつつもギターの低音の刻みが多いこの曲はどうなのか…

lfvoodoo

結果:-6.1 LKFS

こちらも音数多いですがかなりのラウドネスですね。聴いた通りの高いラウドネス感といった感じ。


◯「Outlive」The Ghost Inside (メロディックハードコア・2012年)

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メロコアと略すと大変な検索結果になるメロディックハードコアシーンからこの曲。

このアルバムは特にローミッドの音圧感がすごかったのと一曲ノリがあまり変わらず短い秒数なので短距離走者として選んでみましたが果たして…

lfoutlive

結果:-6.3 LKFS

この曲もやはり高いラウドネス値ですね!この曲が今回の印象では一番高いラウドネス値かなと思ってましたが残念ながらハズレ。


◯「Sound of Wolves」RISE OF THE NORTHSTAR (ハードコア・2012年)

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フランス産日本大好き学ランハードコアROTN。(計測した音源ではPVのSEはないのでご安心を)

結構このEPはギターとベースの刻みのエッジが効いてて音圧感を感じるので選んでみました。

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結果:-6.5 LKFS

こちらも高いラウドネス値。やはりニュースクールのハードコアシーンは爆音です。

このシーンのミックスをするならこれくらいの値を目指すといいのかもしれないですね。


◯「Turn Me On (feat. Nicki Minaj)」 David Guetta (EDM・2012年)

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音圧戦争の成れの果てなジャンル"EDM"からゲッタのTurn Me On。

東京ドームで野球の音響演出してた時代にチームOP映像のBGMがこれで馴染み深いです。

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結果:-5.3 LKFS

でました。最高値です。爆音です。やはりEDMはすごかった。


◯「Make It Bun Dem」Skrillex & Damian (EDM・2013年)

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FPS「FarCry3」を何気なくプレイしてたら大麻畑を炎で燃やし尽くすシーンにて流れるBGM。

ブロステップ(ダブステップ)はEDMの中でもワブルベースとか音圧高いシンセが強烈だけど果たして…?と思ってピックアップ。

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結果:-5.7 LKFS

Turn Me Onよりも低いのは意外でした。やはりEDMはすごかった。(二回目)


◯「Kakariko Village」 Legend of Zelda Sound & Drama (ゲームBGM・1994年)

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名様「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」でのカカリコ村の曲。時オカなど他シリーズでも使用されてますね。

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結果:-17.2 LKFS

実際のゲーム上はまた違うのかもしれないですがシンセ一本ではかなり低いラウドネスです。


◯「Battlefield 3 Main Theme」 Battlefield 3 Soundtrack (ゲームBGM・2011)

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初めてPCゲームでのめり込んだ大作FPSゲームBattlefield 3のメインテーマ。

やっぱりいつ聴いてもかっこいい。デデンデンデデン!

lfbatllefield3-maintheme

結果:-10.7 LKFS

 

ゲームBGMは結構ばらつきあるんでしょうか?思ってたよりも低めなんですね。

 

ということでジャンルレスで色々調べてみました。

他にももっと細かく調べればこのジャンルはだいたいこれくらいとかわかりそうですね!

ぜひ音源制作の参考にしてみてください。

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